1. 特徴
本EAの特徴は、以下の3つです。
・徹底的なカーブフィット対策
・ポートフォリオ化による収益安定化
・リスク評価の提示
(1)徹底的なカーブフィット対策
① シンプルな手法
a. 収益ドライバの明確化
収益ドライバ(収益を上げる動力源)は、検証の前に仮定しておくことが大切であると考えています。
検証の中で見つけた収益ドライバは、複雑になりやすく、単に過去チャートに合わせただけのカーブフィットの可能性が高くなります。
本EAは収益ドライバの仮説 ⇒ 検証の順番で行っており、非常に単純なシステムです。
本EAの収益ドライバは、単純なブレイクアウトです。
ランダムな値動きの中で、局所的に生じる心理的歪を利用するイメージです。
b. 少数パラメータ
パラメータを増やすと、その分だけ市場にフィットさせやすく、カーブフィットの要因となります。
また、自由度が増える為、システムの証明にはより多くの検証回数が必要となります。
パラメータを増やせば、綺麗な資産曲線のEAを作れますが、信頼性の低いEAになってしまいます。
本EAは、パラメータを3つに抑えております。
C. フィルタレス
フィルタは、過去データの収益性の悪い部分をカットするために使われます事があります。
フィルタを用いれば、資産曲線をよく見せる事はできますが、実運用との乖離を生むカーブフィットの要因となります。
本EAでは、スリッページ、スプレッド制限以外のフィルタは使用していません。
(スリッページ、スプレッド制限は、バックテストには影響しない為、カーブフィットの要因とならないフィルタです。)
② 低いパラメータ感度
パラメータを過剰に最適化したシステムは、少しパラメータをずらしただけで、収益性が極端に悪化します。
パラメータの値に鈍感なシステムの方が、長期間安定的に機能する可能性が高いと考えます。
本EAでは、パラメータを±50%変化させても、プラスの収益性がある事を確認しています。
③ 検証期間と検証回数
検証期間が長く、パラメータあたりの検証回数が多い検証は、信頼性が高く
検証期間が短く、パラメータあたりの検証回数が少ない検証は、信頼性が低いと考えます。
検証可能な期間や回数には限界があるので、あらゆる方法も駆使してカーブフィットの可能性を減らし、信頼性を高める努力をしています。
なお、本EAは2007~2019年の13年間の検証を行っています。
④ 7つの通貨ペアで機能
『堅牢なシステムは、多くの市場で機能する』と言われています。
1つの市場でしか機能しないシステムは、カーブフィッティングの可能性が高くなります。
例えば、一つの通貨ペア(過去に下降相場が長かった通貨ペア)だけ機能するシステムは、単に下落相場に向いているシステムの可能性があり、
その通貨ペアが将来も同じような値動きになるとは限りません。
数多くの通貨ペアに機能するシステムは、それだけ多くの値動きに対応するシステムであり、予測できない将来的の値動きにも機能する可能性が高いと考えられます。
本EAでは、主要7通貨ペア(USDJPY、EURJPY、GBPJPY、AUDJPY、EURUSD、GBPUSD、AUDUSD)で機能する事を確認しています。
⑤ 3つの時間軸で機能
『堅牢なシステムは、多くの時間軸でも機能する』と言われております。
理由は、④と同じです。
本EAは、15分足以外に、1時間足、4時間足でも機能する事を確認しています。
(2)ポートフォリオ化による収益安定化
運用リスクを低減し、収益を安定化させる方法として、ポートフォリオ化が有効だと言われています。
本EAは、通貨ペアの分散化が可能なシステムです。
通貨ペアは、主要な5通貨ペア(USDJPY、EURUSD、GBPUSD、EURJPY、GBPJPY)への分散を推奨しています。
時間軸についても分散化可能ですが、収益性と安定化のバランスを考慮し、15分足のみを推奨しています。
パラメータの過剰な最適化を避けるべく、3つの内、1つのパラメータを複数に分散化する事で、安定化を図っています。
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2. バックテスト評価
(1)複数通貨ペア/複数時間軸の評価
7つの通貨ペア、3つの時間軸の組合せ21組中20組でプロフィットファクターが1以上であり、堅牢なシステムの可能性が高いことが確認しています。
*詳細は、バックテスト結果をご確認下さい。
*黄色背景が、推奨通貨ペアと時間枠
(2)パラメータ感度評価
3つのパラメータ(A、B、C)の内、A、Bを±50%変化(Cは分散済みの為)させ、パラメータ感度の検証を行いました。
本EAは±50%の過度なパラメータ変化にも耐え、手法そのものにプラスの期待値がある可能性が高いことができました。
*上部:A,B,Cはパラメータで、A、Bを±50%変化させている。
*下部:それぞれのプロフィットファクター
*コントロールポイント計算であり、全ティック計算より計算精度は低いですが、本手法の場合は結果に大きな差はない。
4. パラメータの入力
* Macic_number = 10200423
マジックナンバーです。
複数の通貨ペアを同時に稼働させる場合も同じ値で問題ありません。
仮に複数時間足で同時に稼働させる場合は変更が必要です。
* 許容スリッページ(pips)= 1.0(初期値)
スリッページがこの値を超えた場合は、決済が見送られます。
* 許容スプレッド(pips)= 2.0(初期値)
スプレッドがこの値を超えた場合は、決済が見送られます。
スプレッドが広い証券口座の場合は、適宜修正下さい。
* MoneyManagement = ture(初期値)
“ture”が複利モード
“false”が単利モード
円口座とドル口座のみご利用できます。
* StopLossPrice = 10000(初期値)
単利モードの場合のみ、参照される値です。
口座通貨に合わせて、損切額を設定します。
例)1万円(100ドル)を設定する場合、以下の値を入力
円口座 :10,000
ドル口座 :100
損切額に合わせてLotが自動計算されます。
損切額が小さすぎる場合は、最小ロットが設定されます。
* RiskPercent = 1(初期値)
複利モードの場合のみ、参照される値(%)です。
口座残高に合わせて、損切額が自動計算されます。
例)1(%)と設定した場合
口座残高 100万円(円)の場合 損切額は1万円に設定される。
損切額に合わせてLotが自動計算されます。
損切額が小さすぎる場合は、最小ロットが設定されます。
4. リスク評価
EA運用の基本は、『運用前にしっかりとリスク評価し、撤退基準を決めておくこと』と考えています。
仮にプラスの期待値をもつEAを運用したとしても、EAのリスク評価ができていないと、浅いドローダウンでも撤退してしまいます。
EAを長期運用するためには、運用前にしっかりリスク評価し、撤退基準を設け、その基準を超えない限りは運用を続け、基準を超えたら潔く撤退する覚悟が必要と考えます。
撤退基準を設ける為には、リスク評価が必要になります。
バックテストに記載されている『最大ドローダウン/相対ドローダウン』は、カーブフィットの影響を受け、過大評価されている可能性が高く、あまり参考になりません。
カーブフィットの影響を小さくした、より現実に近いリスク評価が必要になります。
さらに、本EAは5通貨ペアに分散する事を推奨しています。
5通貨ペアのポートフォリオ化により、収益は安定化しますが、リスク評価は複雑になります。
そので、本EAでは5通貨ペアに分散運用した場合のリスクについて、バックテストより精度が高いと思われる手法で評価しました。
*共通のリスク評価法がない為、独自にリスク評価を行っております。評価法やその結果(ミス含む)について、一切の責任を負いかねます。
EA運用にあたり、一つでも多くリスク評価の参考となるデータがあった方が良いと考え、提示するものです。
また、あくまで過去データを利用した計算で、将来を保証するものではありません。
上記をご理解の上、ご活用ください。
① 条件
手法 : 独自手法(ウォークフォワードテストを一部改良。パラメータを散らす事で、少しでもカーブフィットの影響を小さくしている。)
検証期間 : 2007年1月~2020年3月 (13年間)
スプレッド: 2.0 pips
通貨ペア : 5通貨ペア(USDJPY、EURJPY、GBPJPY、EURUSD、GBPUSD)
時間軸 : 15分足
パラメータ: ウォークフォワードテストにより変化
初期資金 : 100万円(5通貨ペアを1つの口座で運用)
損切設定 : 単利(損切1万円、2万円)、複利(1%、2%)
運用期間 : 10年
② 評価結果
・10年以上運用すると、大きなドローダウンを経験する可能性がある。
・高いリターンを期待しつつ、リスクは悲観的(下限20%、5%、1%)を想定しておくべきと考える。
・長期のドローダウン中も不安にならないリスクに設定する事をお薦めします。
* 平均 : 推定リスクの平均値
* 確率(%):推定リスクの確率。50%は中央値、20%は下限20%を意味する。
* DD : 最大ドローダウン(10年間に残高が最大DD万円減少する事を経験する)
* DD% : 最大ドローダウン率(10年間に残高が最大DD%減少する事を経験する)
* DD期間: 最長ドローダウン期間(10年間に最長DD期間は元の残高に戻らない事を経験する)