7 通貨の強弱を表示するインディケーター CSind はスキャルピングやデイトレに有用です。CSea は CSind を使用した裁量トレードを補助する EA です。
トレンド初期の押し目やトレンド末期に CSea を待機させれば N 字パターン完成後あるいは反転後にシグナルクロスで自動的にエントリーします。またシグナルバッククロスで自動決済して利確ないしは損切りします。もちろんチャートを監視し続け、勘を働かせて高値、あるいは底値で手動利確あるいは早めに損切りすることも可能です。
CSind については別売しております「CSind 通貨の強さ」の商品概要をご覧ください。CSind の売買シグナルは市場全体の売買状況を反映しているため個別の通貨ヘアだけに依拠する売買シグナルよりも安定していると期待できます。
CSea はシンプルですが必要かつ十分な機能を盛り込んだスキャルピング EA です。まずはストラテジーテスターでの動作確認、次いでデモ口座でのバーチャルトレードをお勧めします。MT4 のストラテジーテスターは多通貨非対応で CSind が正常に表示されませんが CSea の動作の基本は再現されます。
4 つのスクリプト
Buy_order_CS, Sell_order_CS, Cancel_order_CS, Exit_ order_CS
で EA をコントロールします。
Buy_order_CS をチャートにドロップしますとグローバル変数を介して指令が EA に送られ 当該通貨ペアが (強くなりつつあり) 強ければ即座に買い注文が実行されます。弱いか強さが減りつつあれば強くなる (強さが増す) のを待って実行します。その後、弱くなった時点で決済されます。待機中の買い注文はいつでも Cancel_ order_CS で取り消すことができます。CSea による決済を待たずに Exit_order_CS で決済することも出来ます。売り注文 Sell_order_CS も同様です。
ストラテジーテスターのビジュアルモードで CSea の動作を説明します。下図は注文が出ていない通常の画面で no order, CSea と左側上に表示されています。
Sell_order_CS スクリプトで売り注文を入れますと USD の CS (水色の曲線) が JPY の CS (赤の曲線) の上なので待機状態になり SELL order, CSea と左側上に表示されます (下図)。
その後の水色の曲線と赤の曲線のクロスで売りエントリーします (下図右上の小さな青い矢印)。いったん少し順行しますがもみ合って反転、再度のクロスで損切りとなります (下図左上の小さな茶色の左向き三角印)。少し順行していますのでそこで手動決済すれば薄利ではありますが利確できます。スキャルピングというのはそういうものです。EA を介さずに直接決済することもできます。インディケーターによる決済はどうしても遅れますので条件の悪い時は CSea による決済を待たずに早めに利確し、次のチャンスが訪れるのを待つ方がよいと思われます。
どういった局面で CSea でのトレードを行うべきかをチャートで検討してみましょう。次のチャートではボリンジャーバンドが収縮した状態から上方にブレイクしてバンドウォークを始め、反転する過程を示しています。チャートには BBWind と MADind も示しています。
BBWind と MADind については別売しております 「MADind MACD より早くて使いやすい (アラーム付き)」 および 「BBWind トレンド検出、監視 (アラーム付き)」 の商品概要をご覧ください。
買いで利益を得ることは簡単そうですがバンドウォークが明らかになりボリンジャーバンドが拡がり始めるころにはもうかなり動いており、反転の予兆 (MADind のシグナルクロス ①) もあります。 ① の次のローソク足の下ヒゲは反転の予兆への反応だと解釈されます。BBWind のシグナルクロス ② も反転の予兆ですがここで買いポジションの決済はともかく売りエントリーは早すぎることはその後の経過からも明らかです。反転狙いのトレードは少し動いて反転が確実になった時点で行うべきです。CSind のクロス ③ あるいは BBWind のクロス ➃ が反転狙いのトレード開始のタイミングとなります。しかし ➃ の時点でこのまま下落すると予想できるでしょうか。チャートの右側では極めてよく似たローソク足のパターンでありながらボリンジャーバンド -1σ での反発が起きています。利確のタイミングとしてはMADind のシグナルクロス ⑤, BBWind のシグナルクロス ⑥, CSind のクロス ⑦ などが考えられます。ふらつきの少なく安定感ある BBWind のシグナルも魅力的ですが CSind シグナルによる売買の方が得られる値幅が大きく優れているように思われます。
次の例も 5 分足チャートです。トレードの前提として当該通貨ペアが大きく動いていることを確認します。これはボリンジャーバンドの大きな変化と最強、最弱通貨へのUSD あるいは JPY の出現で確認することで確認できます。
左端の上昇トレンドの反転シグナルとして ① の CSind のクロスが考えられます。次のクロス ② は上昇トレンドの再開シグナルの可能性がありますが BBWind と MADind が上昇トレンドの反転を示唆しているので見送るべきです。再反転 ③ は下降トレンドへの反転を確認する強いシグナルとして売りトレードの根拠とすることが出来ます。次の反転シグナル ➃ を根拠に買いトレードをするのは危険です。③ – ➃ 間の強い値動き (水色の曲線と赤の曲線で囲まれる領域の面積で判断) を勘案すれば再反転 ⑤ での売りトレードを行うのが妥当です。その後の ⑥, ⑦ の反転シグナルあたりまではトレードの根拠となりえますがそれ以降はボリンジャーバンドが狭まっていますのでトレードは見送りが妥当です。
次のチャートは反転狙いの逆張り的トレードでの CSind (CSae) の有用性を示しています。
左端はボリンジャーバンドが収縮した状態からの下方ブレイクアウトで一般的には順張りトレードの絶好のチャンスとされています。しかし順張りで利益を伸ばそうとして利確をためらっているとこの場合は損切りとなってしまいます。むしろ反応の速いインディケーター MADind のシグナルクロス ① で買いエントリーし、バッククロス ③ で決済した方が簡単に利益が出ます。似たようなトレードが CSind (CSae) でもできます。灰色の線 (EUR) が赤の線 (JPY) をクロスしたところで EURJPY を買い、戻ったところ ➃ で決済します。反応が遅いため利益がかなり減りますが負けないことが大切です。その後、チャートの右側で同様な値動きが起きます。今度は一旦、上方ブレイクしてからの下方ブレイクでこれも順張りトレードの絶好のチャンスと考えられます。しかし若干もみ合った後、反転してしまいます。MADind のクロスでトレードしますと ⑤ でエントリー、すぐに ⑥ で損切りとなってしまいます。⑦ で再エントリーして ⑨ で決済、全部で 32 pips の利益となります。一方、CSind でトレードしますと ⑧ でエントリー、⑩ で決済、利益は 12 pipsと小さくなりますが MADind のトレードの様な慌ただしさはありません。CSind を根拠に ⑧ でエントリーし、MADind を根拠に ⑨ で決済しますと 27 pips の利益となります。多分、それが一番現実的です。
次のチャートはバンドウォークにおけるトレードでの CSind (CSae) の有用性を示しています。
バンドウォークでの順張りトレードのタイミングとしては当該通貨ペアの CSind 幅の再拡大 (①, ➃), 逆張りのタイミングとしては CSind のクロス (②, ⑤) が考えられます。決済のタイミングとしては CSind のバッククロス (③, ⑥) は遅すぎるので反応がより速いインディケーターのシグナル (例えば MADind のクロス、赤の縦の点線) を用いなければなりません。また、裁量判断で例えば最大利益の半分あるいは 2/3 での決済とすることもできます。
