bevFXシリーズの特徴を簡単に体験できる実用性のある無料インジケーター「しゃべるMT4」も参考にしてください。1分足のみで動作する移動平均線(期間2 シフト2)への価格のクロスを音声アラートするインジケーターです。
101_バンドマスク(bevFXシリーズ MA系)
★bevFXシリーズ全体については「bevFXシリーズ フル版セット」を参照してください。
紹介
ボリンジャーバンドは移動平均線を統計学的に太らせたものです。
当インジケーターはシグマ値が小さいボリンジャーバンドをマスクとして扱い、価格がそこを上や下に抜けたときに音声でアラートします。
レンジから抜けるときの動き出しや、プルバックの終了、大きなトレンド転換などをキャッチするのが目的です。
2通りの設定を切り替えて使えるので、状況や用途によって柔軟に使いこなしていけるでしょう。
画面と操作
操作はチャート画面上に表示される[BB Mask]ボタンのクリックだけです。
表示ON/OFFと音声アラートのON/OFFもこのボタン1つでモードを切り替えることで操作できます。
表示されるのはボリンジャーバンドです。初期設定では期間が40、σ(シグマ)が1.0、シフトが30という設定です。
通常のボリンジャーバンドの使い方とは異なり、相場状況によって太さが変化するSMA(単純移動平均線)と考えればよいでしょう。
★当インジケーターではこのボリンジャーバンドを「バンドマスク」と呼びます。これは一般的な呼称ではなくbevFXシリーズ独自のものです。音声アラートでの認識のしやすさを考慮して命名したもので、新規な概念や新たな用語を提唱するものではありません。
ボタンをクリックするごとに次の4つのモードが順に切り替わります。
- バンドマスクの表示のみ
- バンドマスクの表示とアラートモード1(バンドマスクからの離脱のみをアラート)
- バンドマスクの表示とアラートモード2(バンドマスクへの入りと出をアラート)
- バンドマスクを非表示
★モードを切り替えるとモード1ではボタンの色が緑色に変わりバンドマスクの輪郭が太くなります。モード2ではボタンの色がオレンジに変わります。
★音声アラートはエントリーを促すものではありません。相場のフェイズが変化したことを示唆するものであり、それを受けてエントリーするかどうかを検討するタイミングだと考えましょう。実際のエントリーは想定した方向へのプライスアクションを確認して行いましょう。
価格とバンドマスクの関係(プライスアクション)を見て相場の局面(フェイズ)を読んでいきます。
たとえば上の図では、チャートの左端付近から価格がバンドマスクを上に抜けた時点で上昇傾向を推測し、続いてバンドマスクでリバウンドして高値更新したところで上昇方向であると確信し、続くプルバックからエントリーを狙っていくという感じになるでしょう。
そして、価格がバンドマスクに潜りこんできたら、大きめのプルバック(調整)のあと上方向に反転して上昇を続けるか、そのままバンドマスク内でレンジになるかなどシナリオを予想しながら観察します。
価格が下降フェイズに移行するかどうかは、バンドマスクを下抜けするまで考慮しません。とくに上の図ではバンドマスクの中心のミドルライン(移動平均線)がサポートになって推移しているので価格との関係に注目することになるでしょう。
アラートモードにすることで、チャートをずっと見続けなくても、バンドマスクからの離脱や入りに音声アラートで気づくことができます。エントリーやイグジットのタイミングを見逃すといったことが防げるでしょう。
黒背景のチャートでは次のような表示になります。
★bevFXシリーズのインジケーターは、チャートに追加されるときに背景色(前景色)を判断して配色を自動的に切り替えて表示します。
音声アラート
アラートが発動すると次のように音声が再生されます。
アラートモード1
- バンドマスク → 上抜け/下抜け → 通貨ペア名
アラートモード2
- バンドマスク → 上に戻り/下に戻り → 通貨ペア名
★「上に戻り」はバンドマスクに対して価格が下から入ってきたことを意味します。主語はいつも価格です。
★通貨ペア名は現在のチャートの通貨ペア名です。
★通貨ペアの音声アラートでの読み方や音声アラートについての注意事項はマニュアル「=bevFXフルセット版.pdf」または「=bevFXトライアル版.pdf」を参照してください。
★音声データはVOICEVOX(女声:四国めたん / 男声:剣崎雌雄)を使用して作成しています。
短期足でのMTF表示
パラメーター設定によって、ある時間足以下のバンドマスクを指定した時間足でのバンドマスクを表示するように設定できます。
たとえば1時間足でMTF(マルチタイムフレーム)表示を設定すると、30分足、15分足、5分足、1分足のどの時間足でも1時間足でのバンドマスクが表示されます。
★上位足のボリンジャーバンドを下位足で表示するときは、上位足の終値と終値の間の補完が必要なので厳密には「疑似的な上位のバンドマスク」です。この点に関しては後述します。
下の図は前掲のドル円の1時間足チャートを5分足に切り替えて通常のバンドマスク(5分足のバンドマスク)を表示したものです。
パラメーター設定で1時間足のバンドマスクをそれより下位の時間足でも表示するように設定したのが下の図です。
前掲の1時間足チャートと比較すると1時間足チャートのバンドマスクをそのまま拡大して見ていることがわかるでしょう。
このように時間足を切り替えても上位足での”地図”が見えていることになるので、短期の時間足においても迷子になることなく相場の大きなフェイズを把握したままチャートに向かうことができるでしょう。
バンドマスクをMTF(マルチタイムフレーム)で固定する時間足は任意に設定できるので、たとえば1分足でスキャルピング(超短期のトレード)をしたい場合、5分足や15分足のバンドマスクを固定表示することで、目先の短期的な値動きに振り回されずにトレードができるでしょう。
MTF表示について
上位足の移動平均線を下位足で表示する”MTF移動平均線”と呼ばれるインジケーターは、階段型のグラフとして表されることが多いです。なぜなら上位の移動平均線は上位のローソク足の終値を基準にしているので、上位のローソク足の時間中は下位の時間足から見ると水平線(1つの終値を元にした移動平均値)に見えるからです。
この考えに基づけばMTFのバンドマスクも下位足では階段状の輪郭になります。
しかし、もともとローソク足自体がその時間足の単位時間のなかの価格の動きから、始値、終値、高値、安値の4つの値だけを抽出するインジケーターです。したがって、リアルな相場からすると「どの移動平均線も間引きしない連続した姿であるべき」という考え方もできます。
上位足の移動平均線を下位足で連続した曲線として表現するのは簡単です。移動平均線の期間を下位足に対する上位足の倍数だけ増やすだけです。たとえば1時間足で期間20の移動平均線は5分足では期間240(20×60÷5)になります。まさに上位足をズームインするわけです。
当インジケーターでは「上位足での地図をスムーズに拡大したものを下位足で認識する」ことに重点を置くので上位足の移動平均線を曲線型の移動平均線で近似させることにしています。ボリンジャーバンドは移動平均線を統計学的にふくらみを持たせたものなのでボリンジャーバンドのバンドラインも同様だということです。
連続した曲線型の利点はもうひとつあります。下位足が更新されるごとに上位足の移動平均線(に近似した曲線)が確定したラインとして描かれる点です。階段型では上位足の終値が確定するまでは最終的に描き直される(リペイントされる)ラインとしてしか表せません。
bevFXシリーズの「105_MTF_MA階段」では具体的に両者の比較などもしているので参考にしてください。階段型と曲線型のズレかたなども確認できます。
詳細・購入バンドマスク設定Aと一目均衡表
当インジケーターではボリンジャーバンドの設定について、設定Aと設定Bの2セットをパラメーター設定で切り替えられるようになっています。
設定Aの初期設定では期間40でシフト30でシグマ値1.0のボリンジャーバンドでバンドマスクを描いています。
これに、bevFXシリーズの「102_一目均衡表」を重ねて表示したのが下の図です。
一目均衡表のパラメーターはMT4の一目均衡表(Ichimoku)インジケーターのデフォルト設定と同じ転換線(9)、基準線(26)、先行スパンB(52)です。
上図は1時間足ですが、一目均衡表の雲がほぼきれいにバンドマスクに覆われていることがわかるでしょう。
価格が雲の上に出れば上昇傾向、雲に接近してくると戻りあるいは調整、雲の下に出ると下降傾向といった相場(フェイズ)の変化の読み取りができますが、バンドマスクも同様というわけです。
下の図の4時間足でも同様にバンドマスクが雲を覆います。
ただし、急激にフェイズが変わるところでは価格と雲のクロスの位置とバンドマスクと価格のクロスがかなりずれることもわかります。バンドマスクのほうが多少保守的(価格とのクロスが遅い)傾向があります。
下の図の日足に切り替えたものです。雲をバンドマスクがきれいに覆うことがわかります。価格が雲をクロスするタイミングと価格がバンドマスクをクロスするタイミングもかなり近いことも確認できるでしょう。
つまり、バンドマスクの設定Aは一目均衡表の雲とほぼ同等のインジケーターとなっています。
しかもバンドマスクのほうがシンプルに描かれるのでローソク足と同時に表示していてもプライスアクションの読み取りの邪魔にもならないという利点もあります。
また、バンドマスクの期間設定を変えるだけで、上位足の雲と同等のバンドマスクを簡単に描けます。たとえば5分足で1時間足の雲と同等のバンドマスクを表示したいときは、5分足での期間とシフトを12倍するだけです。目線をマルチタイムフレームで持つことは重要です。
バンドマスク設定Bとボリンジャーバンド
バンドマスクの設定Bはシフトなしで期間60のSMAとそのシグマ値±1のボリンジャーバンドです。つまり、通常のボリンジャーバンドの「芯」の部分だけといます。
アラートを設定することでレンジ状態からの抜け出しなどをチャート見なくても把握できるでしょう。
bevFXシリーズの「103_ボリンジャーバンド」と重ねて表示すると、どちらも期間60なのでぴたりとはまります。
他のインジケーターとの組み合わせ
下の図はbevFXシリーズの「001_ものさし」、「002_日本時間とキリ番」、「003_時計と情報」、「103_ボリンジャーバンド」に当インジケーターを重ねたチャートです。bevFXシリーズのインジケーターを1分足でのスキャルピング用に構成した一例です。
バンドマスクの期間を20でシグマ値を0.6とすることでチューブ状になり、それを期間60のボリンジャーバンドに重ねることで、比較的長期のフェイズ(相場の局面)の変化と短期のフェイズ変化を同時に観察しやすくなります。またバンドマスクをエントリートリガーとして意識することもできるでしょう。
ボリンジャーバンドを動的なチャネルとして、バンドマスクを動的なトレンドラインとして使っていると考えることもできるでしょう。
ただし、分析の土台はあくまでもローソク足チャートの高値/安値の更新などのプライスアクションにおいて、ボリンジャーバンドやバンドマスクは状況確認のための背景として意識することが大事です。
バンドマスクやボリンジャーバンドにアラートを適宜設定することによって、チャートをにらみ続けなくても音声アラートが状況を伝えてくれます。音声アラートは実況中継的なものとして設定したり、狙っている状況を捉えるために設定したり状況に応じて使い分けられます。
エントリーに向けてプライスアクションに集中したいときに、ボタンのクリック操作でバンドマスクやボリンジャーバンドなどを簡単に非表示にできるのもbevFXシリーズの強みです。
カスタマイズ
パラメーター設定によって外観をはじめとして、さまざまなカスタマイズができます。以下に主なものを上げておきます。
ボリンジャーバンドの設定
バンドマスク(ボリンジャーバンド)の期間、標準偏差(σ)、表示移動(シフト)を設定Aと設定Bのそれぞれで設定できます。
マルチタイムフレーム(MTF)設定
指定した時間足より下位でも同じバンドマスクを表示させるMTF表示機能のオンとオフ、そして固定する時間足を設定できます。
ストラテジーテスターでの実行
… 実践的学習メソッド …
MT4のストラテジーテスター機能で過去チャートを使った実践的な学習や訓練ができます。
ストラテジーテスターは指定した期間のチャートを再現(時間を早回し)する機能です。ストラテジーテスターはおもにエキスパートアドバイザー(EA)の動作チェック用のMT4の機能と言えますが、通常のインジケーターの動作確認をはじめ、相場の振り返りや投資法の検証などにも利用できます。
bevFXシリーズと簡易トレードシム
ストラテジーテスターにとって、インジケーターの検証や過去チャートの再現の用途は”一応搭載されている”程度の機能です。もともとEAの自動売買の取引パフォーマンスを評価するためのものなので、過去チャートの再生用途には使い勝手(ユーザーインターフェイスの応答性など)がよくありません。
しかし工夫しだいでトレーダーの過去検証や自己訓練用に役立てることができます。
bevFXシリーズのインジケーターは「ツールセット」を除いて、ストラテジーテスターで追加されたときに自動で使いやすい画面設定になるように背景色やグリッドの非表示などの設定を行います。
また、ストラテジーテスターでのテスト実行ではトライアル版も時間足の制限なくほぼフル機能(ストラテジーテスター自体による制約を除いて)で動作します。
さらに、せっかくの過去チャート再生なので、そこで疑似トレードが行える「簡易トレードシム」機能を以下のインジケーターに搭載しました。これらのどちらかを併用することで、ただチャートを眺めるだけでなく臨場感を持って過去チャートを振り返ることができます。投資法の検証と投資スキルの向上に活用できるでしょう。
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- 「001_ものさし」の「簡易トレードシム」
- 「S04_簡易トレードシム」(ツールセット)
ストラテジーテスターの制約
ストラテジーテスターでは以下のような制約があります。
・あらかじめ指定した時間足だけで実行
・追加したインジケーターでは別の時間足のデータを参照する処理は実行されない
・アラート関係の処理は無視
このほかチャートへのキー操作やマウス操作の応答も鈍くなります。
実行例
下の図はメインのインジケーターを「001_ものさし」にしてテスト実行中に「002_日本時間とキリ番」を追加したあと、当インジケーターを追加したものです。
右のボタンが並んだパネルは「001_ものさし」をストラテジーテスターで実行したときに起動される簡易トレードシミュレーター(トレードシム)です。これによって過去チャートでインジケーターを評価するだけでなく実際の取引に近い形で体験できます。
チャートにはトレード履歴のライン(プラスは青系、マイナスはピンク系)がエントリーからイグジットの位置まで描かれます。一度に持てるポジションは1つのみでスプレッドは0です。
上の図ではトレードシムでのエントリー/イグジットを行っている状態ですが、設定Aのバンドマスクを”太った移動平均線”として扱ったときのエントリー練習とインジケーターの有効性の検証(有効である場面の見極め)を行っている例となっています。
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