bevFXシリーズの特徴を簡単に体験できる実用性のある無料インジケーター「しゃべるMT4」も参考にしてください。1分足のみで動作する移動平均線(期間2 シフト2)への価格のクロスを音声アラートするインジケーターです。
108_プライスシャドウ(bevFXシリーズ MA系)
★bevFXシリーズ全体については「bevFXシリーズ フル版セット」を参照してください。
紹介
一目均衡表の遅行スパンを使いやすくアレンジし、拡張した”時間系”のインジケーターです。
短期、中期、長期の3本によってマルチタイムフレーム的な観察ができます。
MT4に標準搭載されているオシレーター系のインジケーター「Momentum」をチャートにプロットするインジケーターとも言えます。
価格とのクロスを音声アラートによって知らせます。相場の局面のチェックするタイミングを知らせるインジケーターとして活用できます。
サイクルモードでは前日、前々日などの価格のラインチャートを表示できます。日単位、週単位、月単位、四半期単位の4通りを表示できます。
画面と操作
プライスシャドウとは音声でアラートするためにわかりやすい名称として独自に名付けた便宜的な呼称です。「過去の値動きをそのまま未来に投影したライン」を表します。一般的な用語ではないことに注意してください。また、この呼称を提唱しているわけでもありません。
操作ボタン
当インジケーターをチャートに追加すると、画面左に3つの操作ボタンが表示されます。
それぞれ短期、中期(標準)、長期のプライスシャドウの表示やアラートを設定するボタンです。
- [1]ボタン … プライスシャドウ1 … 短期(シフト13)
- [2]ボタン … プライスシャドウ2 … 中期(シフト26)
- [3]ボタン … プライスシャドウ3 … 長期(シフト104)
ボタンはクリックするごとに以下のように動作します。
- 「表示ON」 → 「表示ON、アラートON」 → 「表示OFF、アラートOFF」
アラート動作
アラートをONにすると対象のラインが強調表示され、価格がラインにクロスしたときにアラートが発動します。
アラート音声は次のようになります。
- 「プライスシャドウ → いち/に/さん → 上にクロス/下にクロス → 通貨ペア名」
通貨ペア名は現在のチャートの通貨ペア名です。
音声例:女声
音声例:男声
★通貨ペア名は現在のチャートの通貨ペア名です。
★通貨ペアの音声アラートでの読み方や音声アラートについての注意事項はマニュアル「=bevFXフルセット版.pdf」または「=bevFXトライアル版.pdf」を参照してください。
★音声データはVOICEVOX(女声:四国めたん / 男声:剣崎雌雄)を使用して作成しています。
活用方法
プライスシャドウと一目均衡表の遅行線との関係
一目均衡表の遅行線は、終値のラインチャートを26期間(ローソク足26本)だけ過去に投影したものです。遅行線と過去のローソク足とのクロスによって上昇/下降の局面の変化を判定します。
つまり、現在の価格と26本前のローソク足の終値を比較し、過去より現在が上なら上昇基調、下なら下降基調と判断するわけです。
当インジケーターのプライスシャドウは、現在の価格を過去に投影するのではなく過去の価格を現在に投影することで同様の判定が行うものです。
★bevFXシリーズの「102_一目均衡表」ではパラメーター設定によって遅行線をプライスシャドウと同様に過去から現在に投影する表示に切り替えることができます。これによって過去チャートでの一目均衡表が読みやすくなります。
プライスシャドウと価格の関係
下の図はプライスシャドウ2を太く表示するためアラートONにしています。丸印のタイミングがアラートが実行されるところです。
図でわかるように、価格とプライスシャドウがクロスしているタイミングは、トレンド(上昇や下降)や調整(プルバックやレンジ)の開始/終了のタイミングと一致する傾向が認められます。
上昇や下降の傾向がはっきりしているトレンド状態では、クロスの間隔が広くなり、その間の値動きも大きいです。
また、レンジ状態ではクロスの間隔が短くなり、値動きの幅が小さくなっています。
これをプライスシャドウが価格とクロスしたポイントでチャートを切り取っている(区切っている)と考えると、プライスシャドウは「相場のフェイズに応じて長さを変えて値動きを切り取るナイフ」と考えることもできます。当インジケーターを”時間計のインジケーター”とするのもこの理由からです。
プライスシャドウの使い方
プライスシャドウは価格がこれから向かう未来として表示されるので、現在の価格の動き方から「あと2時間ほどでプライスシャドウと価格がクロスしそう」といった予想ができそうですが、これは根拠が薄いのであまりあてにできないでしょう。
同梱のマニュアルではプライスシャドウの活かし方として以下の点を説明しています。
- 過去の高値/安値を示す
- ボーダーラインとして兆しを知らせる
- 分析に区切りを与えてくれる
プライスシャドウと「モメンタム」の関係
モメンタムは価格の動きの勢いという意味で一般的に使われる用語ですが、ここでの「モメンタム」はMT4のオシレーター系のインジケーターとして標準搭載されている「Momentum」のことです。
同梱のマニュアルでは、プライスシャドウとモメンタムの密接な関係について解説しています。ここには図のみを示します。
下の図はモメンタムの期間をプライスシャドウのシフトと同じ26に設定し、100レベルのラインを追加してサブウィンドウに表示したものです。
関連して、マニュアルではプライスシャドウと価格のクロスと相場のフェイズの変化の関係についての考察も載せています。
周期モード(サイクルモード) … 前X比ライン
プライスシャドウにはこの「スパンモード」以外に「サイクルモード」があります。サイクルモードは過去の価格ラインを日や週といった時間の決まったサイクルに合わせて表示するモードです。
パラメーター設定の「動作モードの選択」で「サイクル(周期)モード」を選択することで時間足によって次のようなサイクルで現在の動きを含めると4周期分の価格の比較ができます。
- 1時間足以下 … 日サイクル
- 4時間足 … 週サイクル
- 日足 … 月サイクル
- 週足 … 4半期サイクル
サイクルモードでの表示例
以下、同梱のマニュアルから図と簡単な説明を抜粋します。
15分足で1日サイクル
下の図は15分チャートでプライスシャドウの1から3のボタンをクリックして1日前(プライスシャドウ1)、2日前(プライスシャドウ2)、3日前(プライスシャドウ3)の価格のラインチャートを表示したものです。
比較しやすいように「205_チャート切り替え」を追加して現在の値動きもラインチャートにしています。また、「002_日本時間とキリ番」を追加して時間やセッションスタートの区切りを表示しています。
サイクルモードではアラートは機能しません。線を太く表示したいときに設定するとよいでしょう。
4時間足で1週間サイクル
サイクルモードで4時間足に切り替えるとプライスシャドウは1週間前、2週間前、3週間前の価格ラインを表示します。
下の図では「204_長期キャンドル」を追加することで日足の長期キャンドルをシフトなしで表示しています。
また週の区切りがわかりやすくなるようにMT4の[挿入]-[サイクル・ライン]メニューで週の幅で区切る垂直線を表示しています。
曜日そのものがもつ傾向や動き方のパターンを自分が投資対象にしている通貨ペアで調べておくとよいでしょう。
週足で四半期サイクル
サイクルモードで週足を表示すると、プライスシャドウは4半期サイクルでの過去の動きを表示します。
下の図でも「204_長期キャンドル」を追加することで月足の長期キャンドルをシフトなしで表示しています。また、4半期の区切りがわかりやすくなるようにMT4の[挿入]-[サイクル・ライン]メニューで週の幅で区切る垂直線を表示しています。
カスタマイズ
パラメーター設定によってさまざまなカスタマイズが可能です。以下に主なものをあげておきます。
- プライスシャドウのシフト数
- なめらかさ
- 色や太さ
このうち「なめらかさ」は初期設定では「なめらか1」で、プライスシャドウの2SMAで少しでけなめらかにする設定です。「シャープ」を選ぶと価格のラインチャートのそのままの形になります。なめらかさは3段階あり徐々になめらかになります(SMAの期間が1ずつ増える)。
ストラテジーテスターでの実行
… 実践的学習メソッド …
MT4のストラテジーテスター機能で過去チャートを使った実践的な学習や訓練ができます。
ストラテジーテスターは指定した期間のチャートを再現(時間を早回し)する機能です。ストラテジーテスターはおもにエキスパートアドバイザー(EA)の動作チェック用のMT4の機能と言えますが、通常のインジケーターの動作確認をはじめ、相場の振り返りや投資法の検証などにも利用できます。
bevFXシリーズと簡易トレードシム
ストラテジーテスターにとって、インジケーターの検証や過去チャートの再現の用途は”一応搭載されている”程度の機能です。もともとEAの自動売買の取引パフォーマンスを評価するためのものなので、過去チャートの再生用途には使い勝手(ユーザーインターフェイスの応答性など)がよくありません。
しかし工夫しだいでトレーダーの過去検証や自己訓練用に役立てることができます。
bevFXシリーズのインジケーターは「ツールセット」を除いて、ストラテジーテスターで追加されたときに自動で使いやすい画面設定になるように背景色やグリッドの非表示などの設定を行います。
また、ストラテジーテスターでのテスト実行ではトライアル版も時間足の制限なくほぼフル機能(ストラテジーテスター自体による制約を除いて)で動作します。
さらに、せっかくの過去チャート再生なので、そこで疑似トレードが行える「簡易トレードシム」機能を以下のインジケーターに搭載しました。これらのどちらかを併用することで、ただチャートを眺めるだけでなく臨場感を持って過去チャートを振り返ることができます。投資法の検証と投資スキルの向上に活用できるでしょう。
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- 「001_ものさし」の「簡易トレードシム」
- 「S04_簡易トレードシム」(ツールセット)
ストラテジーテスターの制約
ストラテジーテスターでは以下のような制約があります。
・あらかじめ指定した時間足だけで実行
・追加したインジケーターでは別の時間足のデータを参照する処理は実行されない
・アラート関係の処理は無視
このほかチャートへのキー操作やマウス操作の応答も鈍くなります。
実行例
下の図はメインのインジケーターを「001_ものさし」にしてテスト実行中に「002_日本時間とキリ番」を追加したあと、当インジケーターを追加したものです。
プライスシャドウの1と2はアラートモードにしていますが、これはラインを太く表示させるためです。ストラテジーテスターでは音声アラートは機能しません。
右のボタンが並んだパネルは「001_ものさし」をストラテジーテスターで実行したときに起動される簡易トレードシミュレーター(トレードシム)です。これによって過去チャートでインジケーターを評価するだけでなく実際の取引に近い形で体験できます。
チャートにはトレード履歴のライン(プラスは青系、マイナスはピンク系)がエントリーからイグジットの位置まで描かれます。一度に持てるポジションは1つのみでスプレッドは0です。
高値/安値の更新を基本に価格の動向を読むとともにプライスシャドウをタイミングの指標として参考にしてエントリーの練習をしてみてください。
また、
「103_ボリンジャーバンド」を追加してボリンジャーバンドが示す相場のフェイズの変化のタイミングとプライスシャドウと価格のクロスのタイミングが対応しているかどうかなどを実際に確かめるとよいでしょう。