”Light-β”は、Light-α(徹底したカーブフィット対策)の5分足版です。
Light-αと組み合わせる事で、リスクが最小化されるように設計しています。
Light-αは、全ての時間軸で機能するEAです。
時間軸が長くなるとトレード数が減少する為、複利効果が小さく、また安定性が低下します。
時間軸が短くなるとスプレッドの影響により、収益が減少します。
Light-αは、収益性と安定性のバランスを考え、15分足でトレードする事としています。
短い時間足の弱点を克服したのが、”Light-β”になります。
Light-βは、収益性を下げずに、5分足でトレードできるようにしました。
スプレッド1.5pips以内であれば、高い収益性と安定性が保たれています。
Light-βを開発した目的は、リスクの最小化にあります。
基本ロジックが同じでも、時間軸が変わると、相関が崩れる事がわかっています。
相関が小さいEAを組み合わせる事で、リスクの低減が図れます。
Light-βは、スプレッドの影響を確認しつつ、限界までLight-αとの相関を離しています。
さらに、リスクのバランスをパラメータで調整する事で、
Light-αとLight-βを1:1で組合た時にリスクが最小化となるように設計しています。
もちろん、Light-β単品でも、Light-αと同等の収益性を確保しています。
特性の分からないEAでポートフォリオを組むと、リスクを低減できない場合があります。
ポートフォリオによりリスク低減を図る場合、相関性だけでなく、
双方のリスクを把握しておく必要があります。
EAの特性を知る開発者が、Light-αと組み合わせる事で、
リスクが最小化されるよう開発したのが”Light-β”になります。
以下、1章にリスク評価結果(単品とポートフォリオ)を示し、
2章以降にLight-α同様にカーブフィット対策について記載します。
さらに詳しい情報が知りたい方は、以下のブログをご覧ください。
https://www.investor-light.com/
1. リスク評価
EA運用の基本は、『運用前にしっかりとリスク評価し、撤退基準を決めておくこと』と考えています。
仮にプラスの期待値をもつEAを運用したとしても、EAのリスク評価ができていないと、
浅いドローダウンでも撤退してしまいます。
EAを長期運用するためには、運用前にしっかりリスク評価し、撤退基準を設け、
その基準を超えない限りは運用を続け、基準を超えたら潔く撤退する覚悟が必要と考えます。
撤退基準を設ける為には、リスク評価が必要になります。
バックテストに記載されている『最大ドローダウン/相対ドローダウン』は、カーブフィットの影響を受け、
過大評価されている可能性が高く、あまり参考になりません。
カーブフィットの影響を小さくした、より現実に近いリスク評価が必要になります。
さらに、本EAは5通貨ペアに分散する事を推奨しています。
5通貨ペアのポートフォリオ化により、収益は安定化しますが、リスク評価は複雑になります。
なので、本EAでは5通貨ペアに分散運用した場合のリスクについて、
カーブフィットの影響を小さくした手法で評価しました。
*共通のリスク評価法がない為、独自にリスク評価を行っております。
評価法やその結果(ミス含む)について、一切の責任を負いかねます。
EA運用にあたり、一つでも多くリスク評価の参考となるデータがあった方が良いと考え、
提示するものです。
また、あくまで過去データを利用した計算で、将来を保証するものではありません。
上記をご理解の上、ご活用ください。
(1)Light-β単品のリスク評価
① 条件
手法 : ±20%の範囲でパラメータをランダムに変化させた50ケースから推測
(パラメータを散らす事で、少しでもカーブフィットの影響を小さくしている。)
50ケースのトレードを時系列にランダムに組み替えた10000ケースから確率を算出
検証期間 : 2007年1月~2020年3月 (13年間)
スプレッド: 1.0 、1.5、2.0pips
通貨ペア : 5通貨ペア(USDJPY、EURJPY、GBPJPY、EURUSD、GBPUSD)
時間軸 : 5分足
パラメータ: ±20%の範囲でランダム
初期資金 : 100万円(5通貨ペアを1つの口座で運用)
損切設定 : 複利(1%、2%)
運用期間 : 10年
② 評価結果
・厳しい評価手法で、下限1%でもプラスの成績を確保(スプレッド1.5以下が条件)
(バックテストの成績は、最適なパラメータを用いた1点に過ぎない。
本評価はパラメータを散らしており、カーブフィットされたEAでは、マイナスになる)
・10年以上運用すると、大きなドローダウンを経験する可能性がある。
・10年以上運用すると、長期のドローダウンを経験する可能性がある。
・高いリターンを期待しつつ、リスクは悲観的に想定しておくべきと考える。
平均値より上方にぶれる可能性もあるが、あまり夢を見すぎないように上方は示さず
リスク評価を中心に下方の確率を示している。
* 平均 : 推定リスクの平均値
* 確率(%):推定リスクの確率。50%は中央値、20%は下限20%を意味する。
* DD% : 最大ドローダウン率(10年間に残高が最大DD%減少する事を経験する)
* DD期間: 最長ドローダウン期間(10年間に最長DD期間は元の残高に戻らない事を経験する)
(2)Light-αとLight-βの組み合わせのリスク評価
① 条件 : 基本条件は上記と同様。一つの口座でLight-αとLight-βを運用。
両EAの相関の影響を考慮する為、時系列の組み替えは両者同じタイミングとしている。
② 評価結果
・スプレッド1.5以下であれば、Light-αとLight-βを組み合わせる事で、
収益そのままに、リスクを約6割に減少させることが可能
又は、リスクをそのままに、収益を倍増させることが可能
・スプレッド2.0以上であれば、Light-αを単品で運用する方がいい
2. 特徴
本EAの特徴は、以下の3つです。
<Light-αの商品概要を先にご確認頂くと分かりやすいと思います>
・徹底的なカーブフィット対策
・ポートフォリオ化による収益安定化
・リスク評価の提示(1章参照)
(1)徹底的なカーブフィット対策
① シンプルな手法
a. 明確な収益ドライバ
収益ドライバとは、収益を上げる動力源のことです。
収益ドライバを意識せずに開発したシステムは、
パラメータで過去チャートにフィットさせただけの、カーブフィットに陥りやすいシステムになります。
本EAの収益ドライバは、単純なトレンドフォローです。
b. 少数パラメータ
パラメータの数を増やすと、その分だけ市場にフィットさせやすく、
バックテスト上で容易に高収益なEAを作ることが可能です。
しかし、それがカーブフィットの要因となります。
また、パラメータの数だけ自由度が増える為、同等の信頼性を得るためには、
より多くの検証回数が必要となります。
検証回数には限りがあるので、パラメータが多いシステムは、それだけ信頼性が低くなります。
本EAはロジックがメインで、パラメータは3つに抑えております。
C. フィルタレス
フィルタは、過去データの収益性の悪い部分をカットするために使われることがあります。
フィルタを用いれば、資産曲線をよく見せることはできますが、
実運用との乖離を生むカーブフィットの要因となります。
本EAでは、スリッページ、スプレッド制限以外のフィルタは使用していません。
(スリッページ、スプレッド制限は、バックテストには影響しない為、
カーブフィットの要因とならないフィルタです。)
② 低いパラメータ感度
パラメータを過剰に最適化したシステムは、少しパラメータをずらしただけで、
収益性が極端に悪化します。
パラメータの値に鈍感なシステムの方が、長期間安定的に機能する可能性が高いと考えます。
本EAでは、パラメータを±50%変化させても、プラスの収益性がある事を確認しています。
③ 検証期間と検証回数
検証期間が長く、パラメータあたりの検証回数が多い検証は、信頼性が高く
検証期間が短く、パラメータあたりの検証回数が少ない検証は、信頼性が低いと考えます。
検証可能な期間や回数には限界があるので、パラメータを少なくし(①)、多様な通貨ペア(④)、
時間軸(⑤)でも検証する事で多様なチャートでシステムが機能する事を確認し、
信頼性を高める努力をしています。
なお、本EAは2007~2019年の13年間の検証を行っています。
④ 5つの通貨ペアで機能
『堅牢なシステムは、多くの市場で機能する』と言われています。
1つの市場でしか機能しないシステムは、カーブフィッティングの可能性が高くなります。
例えば、一つの通貨ペア(過去に下降相場が長かった通貨ペア)だけ機能するシステムは、
単に下落相場に向いているシステムの可能性があり、
その通貨ペアが将来も同じような値動きになるとは限りません。
数多くの通貨ペアに機能するシステムは、それだけ多くの値動きに対応するシステムであり、
予測できない将来的の値動きにも機能する可能性が高いと考えられます。
本EAでは、主要な5通貨ペア(USDJPY、EURJPY、GBPJPY、EURUSD、GBPUSD)
で機能する事を確認しています。
⑤ 4つの時間軸で機能
『堅牢なシステムは、多くの時間軸でも機能する』と言われております。
理由は、④と同じです。
本EAは、5分足以外に、15分足、1時間足、4時間足でも機能する事を確認しています。
(2)ポートフォリオ化による収益安定化
運用リスクを低減し、収益を安定化させる方法として、ポートフォリオ化が有効だと言われています。
本EAは、通貨ペアの分散化が可能なシステムです。
通貨ペアは、主要な5通貨ペア(USDJPY、EURUSD、GBPUSD、EURJPY、GBPJPY)
への分散を推奨しています。
時間軸についても分散化可能ですが、収益性と安定性のバランスを考慮し、5分足を推奨しています。
パラメータの過剰な最適化を避けるべく、3つの内、1つのパラメータを複数に分散化する事で、
安定化を図っています。
また、Light-αと組み合わせる事で、リスクを小さくすることが可能です。
さらに、Light-γと組みわせると、リスクの最小化が可能です。
3. バックテスト評価
(1)複数通貨ペア/複数時間軸の評価
5つの通貨ペア、4つの時間軸の組合せ20組中19組でプロフィットファクターが1以上であり、
堅牢なシステムの可能性が高いことを確認しています。
(参考:時間足が大きくなるほど、プロフィットファクターの平均値は大きくなりますが、
総トレード回数が減少するため、ばらつきが大きくなります。)
プロフィットファクターが小さいと思う人がいると思いますが、
本EAはプロフィットファクターの最大化はしていません。
パラメータを増やし、バックテストに合うように調整すれば、
容易に高いプロフィットファクターのEAを開発可能です。
しかし、それがまさに、カーブフィットの要因となります。
*バックテスト条件(初期資金:100万円、損切設定:以下参照)
M5:1万円、M15:1万円、H1 :4万円、H4:16万円(最小ロット未満にならないよう調整)
*黄色背景が、推奨通貨ペアと時間枠
(2)パラメータ感度評価
3つのパラメータ(A、B、C)の内、A、Bを±50%変化(Cは分散済みの為)させ、
パラメータ感度の検証を行いました。
本EAは±50%の過度なパラメータ変化にも耐え、手法そのものにプラスの期待値がある
可能性が高いことができました。
パラメータ周辺でプラスの期待値があり、
将来の傾向がバックテストと多少違っても、安定的に利益が出せる可能性が高いと考えます。
なお、パラメータが小さくなると、疑時間軸が小さくなる効果と似ており、
スプレッドの影響を受けやすくなる為、PFが小さくなる傾向にある。
*上部:A,B,Cはパラメータで、A、Bを±50%変化させている。
*下部:それぞれのプロフィットファクター
*スプレッド:1pips
4. パラメータの入力
* Macic_number = 10200527
マジックナンバーです。
複数の通貨ペアを同時に稼働させる場合も同じ値で問題ありません。
仮に複数時間足で同時に稼働させる場合は変更が必要です。
* 許容スリッページ(pips)= 1.0(初期値)
スリッページがこの値を超えた場合は、トレードが見送られます。
* 許容スプレッド(pips)= 1.5(初期値)
スプレッドがこの値を超えた場合は、トレードが見送られます。
許容スプレッドを狭くした方が、トレード成績は向上しますが、
スプレッドが広い証券口座の場合は、見送られる回数が増加します。
* MoneyManagement = ture(初期値)
“ture”が複利モード
“false”が単利モード
円口座とドル口座のみご利用できます。
* StopLossPrice = 10000(初期値)
単利モードの場合のみ、参照される値です。
口座通貨に合わせて、損切額を設定します。
例)1万円(100ドル)を設定する場合、以下の値を入力
円口座 :10,000
ドル口座 :100
損切額に合わせてロットが自動計算されます。
自動計算されたロットが、最小ロットを下回る場合はエントリされません。
* RiskPercent = 1(初期値)
複利モードの場合のみ、参照される値(%)です。
口座残高に合わせて、損切額が自動計算されます。
例)1(%)と設定した場合
口座残高 100万円(円)の場合 損切額は1万円に設定される。
損切額に合わせてロットが自動計算されます。
自動計算されたロットが、最小ロットを下回る場合はエントリされません。